日本サイトカイン学会(JCS)会員の皆様におかれましては、日頃よりJCSの運営にご尽力・ご協力頂きありがとうございます。2024年4月より、吉村先生からJCS会長職を引き継がせていただきました。どうぞよろしくお願い致します。JCS設立に至る経緯や目的に関しては過去に吉村先生が触れておられますので、JCSの現状と未来に関して所感を述べさせていただきます。JCSは、現会員数は342名で、基礎研究者を中心とする比較的コンパクトな学会です。主な役員構成は、会長、副会長2名、幹事24名、運営委員57名、監査2名です。名誉会員17名並びに功労会員28名の先生方には、サイトカインハンティングのパイオニアとして、サイトカイン、サイトカイン受容体、関連シグナル分子等を発見されたご高名な研究者が名を連ねています。今年7月に札幌で開催された記念すべき第一回JCS学術集会(村上正晃先生、石井健先生が主催)では、岸本忠三先生と谷口維紹先生(いずれも名誉会員)による特別講演が企画され、特に若い会員の皆さまにとってサイトカインハンティングの歴史を勉強する貴重な機会になったのではないでしょうか。
JCSの重要なミッションには若手研究者の育成と国際化が含まれます。学生会員17名のみという現状を踏まえ、札幌での総会で「新規の学生会員・正会員の初年度年会費を無料とする」ことが議論され後日承認されました。これがどの程度効果があるのかは今後検証されることになりますが、会員の皆様におかれましては、ぜひ学生及び若手研究者のJCSへの参加・会員登録へのご協力をよろしくお願い致します。国際化に関しては、毎年の学術集会を英語で行うこと以外にも、2030年の国際サイトカイン学会(Cytokine 2030)の日本招致・開催を目指して、田中良哉先生を中心に動き出したところです。JCSの存在感を高めることも重要と考え、Cytokine 2024(今年10月にソウル開催)でシンポジウム枠を1つ頂き、JCSの若手研究者5名による発表を企画しました。Cytokine 2030は開催自体を含めまだまだ先行き不透明ですが、進捗は会員の皆様に随時報告させて頂きたいと思います。
JCSの発展的未来を拓くためには次世代の若い研究者の力が必要不可欠です。未来のJCSと長く時間を共有する若い研究者こそがJCSの先導役となるべきです。JCSが若手研究者にとっても益々魅了的な学会となるよう、会員の皆様のご指導・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
2024年10月
JCS会長 樗木俊聡